SIGMAのマクロレンズ 105mm F2.8 DG DN MACRO Artの1年弱利用レビュー

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SIGMAのEマウント用マクロレンズ,105mm F2.8 DG DN MACRO art を購入してから1年弱が経過したので簡単なレビュー記事を残そうと思う.

Sigma 105mm Macro DG DN Art

Sony Eマウントのマクロレンズ

そもそもマクロレンズとは小さなものを大きく写せるレンズのこと.私もカメラをはじめるまで知らなかったのだが,フルサイズカメラのレンズはスマホやコンデジほど接写が得意ではなく,マクロ撮影にはこういう専用のレンズが必要だ.(もちろん,マクロレンズはマクロ以外の撮影にも使える.)

例えばこれがSEL35F18Fという単焦点レンズで最もクローズアップした状態.普通のレンズとしてはこれでもだいぶ寄れる部類だ.最大撮影倍率は0.24倍で,つまりイメージセンサーに0.24倍の大きさで100円玉が写る.

SEL35F18

これがSigmaの105mmマクロレンズだとここまで大きく写る.最大撮影倍率は1倍,つまりイメージセンサーに100円玉が全く同じ大きさで写る.フルサイズのイメージセンサーは約36.0mm × 24.0mmで,対して100円玉の直径は22.6mmなのでほぼ縦いっぱいに100円玉が写る.

Sigma 105mm Macro DG DN Art

さて,Sony Eマウント用のマクロレンズは何本か存在するが,通常は焦点距離が長めの2本,

  • Sony SEL90M28G
  • SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO Art

が良いだろう.私は単純に後者のほうが新しくて安いということで購入した.

2026/5/4追記 Sonyから新型の100mmマクロレンズSEL100M28GMが登場した.今から買うならこれ一択だろう.

カメラ自体もEマウントにしたのには理由があって,趣味の熱帯魚を撮影するためにどうしてもマクロレンズが必要だったのだが,私が購入した当時NikonとCanonのミラーレスにはマクロレンズが存在しなかった.2022年1月現在はNikonとCanonにも105mm,100mmのマクロレンズが存在するので各社問題なく撮影できるようになった.

スペック

・ その他のスペック:
レンズは12群17枚/絞り羽根9枚/フィルター径62mm

本体外観

SigmaのArtレンズらしく,外装も金属で非常に高級感のある仕上がりだ.重さ710g,サイズはφ74mm × 135.6mmとそこそこ存在感のあるレンズだ.望遠レンズなのでフードも大きく,フードもつけるとさらに長くなる.α7Cとの組み合わせでは明らかにアンバランスで,α7Cの貧弱なグリップと合わせて外に持ち出すのはちょっと怖いくらいだ(笑.やはりα7Cはコンセプト的にもっと小さいレンズとの組み合わせでコンパクトに楽しむのが向いている.

α7CとSigma 105mm Macro DG DN Artの組み合わせ.レンズにカメラが付いているようなバランスになる.

機能

SigmaのArtシリーズらしくコントロール類が充実している.α7Cはダイヤルやボタンの数が少ないのでレンズ本体で色々いじれるのは非常に便利に感じる.

Sigma 105mmのコントロールは絞りリングとフォーカスリングの間に密集している.上からAF/MF切り替え,AFLボタン,フォーカスリミッター,絞りリングのクリック/デクリック切り替え.
左側に写っているのが絞りのロックスイッチだ.

コントロールを以下列挙する.

  • 絞りリング
    • 絞りを切り替えられる.カメラから絞りを操作したい場合は,”A”のポジションにする.(AポジションはF22のさらに左側にある.)
  • 絞りリングのクリック/デクリック切り替え
    • 動画を撮るときはクリックなし,写真の時はクリックありと言ったように切り替えられる.
  • 絞りリングのロックスイッチ
    • 絞りリングをAポジション(絞りリングを使用せず,カメラ本体から絞りを操作するモード)でロックできる.他の絞り値でのロックは不可.
  • AF/MFの切り替えスイッチ
    • マクロ撮影では頻繁に切り替えるため普通のレンズよりも重要性が高い.
  • フォーカスリミッター
    • AFの合焦位置を制限する機能.とにかくAFが遅い本レンズでは必須だ.FULL(全域),0.5m-無限遠(遠くを撮るとき),0.295-0.5m(マクロ撮影時)の3つを切り替えられる.
  • AFLボタン
    • Sonyレンズと同様,ファンクションボタンとして本体から機能を割り当てできる.

純正SEL90M28Gとの違いの一つに,本レンズは手ぶれ補正非搭載という点が挙げられる.SEL90M28Gの手ぶれ補正がどの程度効くのかは不明だが手持ち撮影が多い方は注意されたい.

また,このレンズはLマウント用ではテレコンバーター(焦点距離を伸ばせるコンバーター)に対応しているがEマウント用では対応していない.しかしLマウント用と光学設計が同じなのでレンズのカメラ側にテレコン用の大きなスペースが空いており,これによってレンズのサイズが大きくなり,またレンズの重心も先端に寄ってしまっている.しょうがないことではあるがテレコンを使えるようにして欲しかった...

もっとも,Sony純正のSEL90M28G含めて,NikonとCanonの100mmマクロレンズもテレコンは対応していないのでしょうがないかもしれない.

2026/5/4追記 Sonyの新しいマクロレンズSEL100M28GMはテレコンに対応した!1.4倍テレコンを使うと140mmF4,2倍テレコンを使うと200mmF5.6として使える.

描写性能

描写性能に関してだが,解像性能は文句なしの100点だ.所有している他のレンズ(SEL1635Z,SEL2860,SEL35F18F)とは明らかに別格の写り.Sony純正ももっと高いレンズを買ったら違うのかもしれないが,マクロレンズらしいシャープで透明感のある写りで,カメラを趣味にして良かったと思わせるだけのものがある.

もっとも熱帯魚や水槽の撮影をする場合,画質はレンズの解像性能より水の透明度やガラスの汚れに左右されるところが大きい.水槽が大きくガラスが厚くなってくると,極力ガラスに対してレンズの光軸を垂直にしないとガラスの屈折のせいで解像度が落ちる.下の2枚の画像は,水槽に対して角度を変えて写真を撮ったところだが,だいぶ解像度が変わっている.最もブログサイズにしたらそこまで気にならないので良いといえば良いのだが.

ガラスに対してほぼ垂直にレンズをセットした場合
ガラスに対して斜めにレンズをセットした場合,ブログサイズでは違いが分かりにくいかも..

AF性能

本レンズ最大の不満点はAF速度がとにかく遅いことだ.α7Cで動いている小型熱帯魚を連写すると殆どピントが合わない(笑 マクロレンズはAFが遅いものらしいのでSEL90M28Gや他社のマクロレンズも似た感じかもしれないが,とにかく数を撮ってピントが合っているものを後からセレクトする必要がある.

また,動画をAFで撮っているとかなりウォブリング(とブリージング)が起こって煩わしく感じる.動画を撮る際はMFのほうがよいだろう.

まとめ

SigmaのEマウント用マクロレンズ,Sigma 105mm Macro DG DN Artを1年近く使ってきた.描写は超高性能でビルドクオリティも良好,各種のコントロールも備えており,マクロレンズとしてはほぼ完璧な出来だ.正直この値段で売られていることが驚きである.一番の欠点はAFが遅いことだろうが,静物のマクロ撮影をしている分にはデメリットにもならないだろう.非常にお勧めできるEマウント用のマクロレンズに仕上がっていると思う.

  • Pros
    • 絞りリング,AFL,AFMF切り替えをはじめとした豊富な機能
    • 素晴らしい解像性能
  • Cons
    • Eマウント用はテレコンバーター非対応
    • AFが遅い
    • 重い.重心が先端に寄っており,実際の重さ以上に重く感じる.
    • 手ぶれ補正非搭載

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