Westone Audio mach70/mach80

ガジェット

背景

最初に今までのイヤホン遍歴を軽く紹介してなぜwestone audioにしたかというあたりから.ピアノ演奏を趣味にしている関係でいわゆる高級イヤホンはかれこれ10年以上使っている.一番最初に購入したのはultimate ears(UE)のUE900というイヤホンで,当時3万円くらいだったと思う.このイヤホンは元気のあるサウンドで自分の好みに合っていたのもそうだが,遮音性が非常に高くて外に持ち出して耳栓代わりにもできた.mmcx端子でケーブル部分が取り外せるようになっており,ケーブルが断線してもケーブルだけ買い替えられるというのも買う際の安心材料だった.

ただこのイヤホンの問題は付属のケーブルがしょぼいことで数年使っているうちに2本とも断線してしまい,交換ケーブルを探すハメになった.イヤホン用の交換ケーブルというのは意外と値段が高くて平気で数万円するので,イヤホン本体が3万円なのにケーブルに何万円も出すのはどうなんだということで新しいイヤホンを2020年に購入した.BeyerdynamicのxelentoとAKGのN5005の二機種で,これらは音は非常によくて家ではこれらの機種を利用している.一方でUE900と違って遮音性は皆無で,外出中に騒音下でガンガン使うという気にはなりにくい.新しいイヤホンについていた余りの付属ケーブルでUE900も無事復活した.

両者の購入から5年くらい経過して,再び遮音性の高いイヤホンを追加で買いたいという欲が湧いてきた.UE900は購入から10年以上が経過していて流石に古くなってきたというのもある.そこでイヤホンの選定にかかった.この10年ほぼ毎日これらのイヤホンを使ってきた経験から,以下の条件を満たすものにしようと決めた.

  • mmcxではない端子
  • 使い勝手の良いケーブルが付属してくること
  • 高い装着性

まず1つ目にmmcx端子でないこと.mmcxはイヤホンとケーブルの接続部分の端子の規格の一つだが,古くから問題山積の規格であり,私も随分接触不良を始めとする故障に悩まされた.実際UE900,N5005は一回mmcxの故障でメーカー修理になったことがあり,他にもサードパーティ製ケーブルの相性問題もある.これらは幸い保証期間内だったから良かったものの,この手の問題で悩まされるのはもう勘弁という気持ちがある.

関連して2つ目に付属ケーブルの使い勝手の良さも重要だ.UE900のように数年使って断線するのは困るし,ケーブルと本体の相性問題で悩みたくないのでできれば純正のケーブルが取り回しのよいケーブルであって欲しい.xelentoもN5005も付属ケーブルは音は良いものの取り回しという点ではあまり良くなかったので反省を活かしたい.

3つ目に装着性が良いこと.UE900とxelentoは素晴らしい装着感だがN5005は絶望的に装着感が悪く,これだと外で使いにくい.

最近のイヤホンは高音質なものは数多く発売されているものの,使い勝手にもこだわったものは意外と見つからずに結局老舗のUEとwestoneに絞って検討した.色々試聴した結果WestoneのMach70とMach80を購入したので紹介していく.一つは家で,一つは外出時に使う想定だ.

Westone Audio machシリーズ

westone audioは昔からコンシューマー用のラインとしてBAドライバーを多用したwシリーズを販売していた.シリーズはw10からw80までの8ラインナップで,基本的に数字が大きくなるほどドライバーの数も増えて値段も上がる.wシリーズを更新する形で2022年にmachシリーズが発売された.こちらもmach10から80までの8ラインナップで,番号とドライバー数が対応する非常にわかりやすいシリーズ構成になっている.とはいえ,単純にドライバー数が増えれば音が良くなるということではなく,各アイテムごとに重視する音域が異なっている.要は自分にあったものを選べということだ.

Screenshot

端子はシリーズ全体でT2端子(UEのIPX端子と同じ)に統一されている.この端子は既存のMMCXの弱点を潰した新世代の端子になっている.

クラスとしてはmach10/20/30がエントリー,mach40/50/60がミドルクラス,mach70/80がハイクラスとわかれていて,付属ケーブルおよびカラーで差別化されている.ケーブルのLinum BaXシリーズは高級ケーブルで,特にMach70/80に付属するUltraBaXは単品で買うと3万円もする.そのほかペリカンケースなど付属品がかなり豪華になっている.

品番ドライバー構成レンジ分担付属ケーブル
mach101BAフルレンジLinum BaX
mach202BA低域×1 高域×1Linum BaX
mach303BA低域×1 中域×1 高域×1Linum BaX
mach404BA低域×2 中域×1 高域×1Linum SuperBaX
mach505BA低域×1 中域×2 高域×2Linum SuperBaX
mach606BA低域×2 中域×2 高域×2Linum SuperBaX
mach707BA低域×1 中域×2 高域×4Linum UltraBaX
mach808BA低域×2 中域×2 高域×4Linum UltraBaX

公式による商品紹介動画がyoutubeにあるので参考にされたい.

Mach70/Mach80 概要

日本代理店の公式ページから抽出した仕様は以下の通り.

項目Mach80Mach70
ドライバー数87
感度(1kHz)104dB/1mW110dB/1mW
周波数帯域5Hz – 22kHz5Hz – 22kHz
インピーダンス(@1kHz)66Ω42Ω
ケーブルタイプLinum UltraBaX T2™ ケーブル【クリアー】Linum UltraBaX T2™ ケーブル【クリアー】
ケーブル長127cm127cm
コネクタータイプT2コネクター【着脱式】T2コネクター【着脱式】
付属アクセサリー・Linum UltraBaX T2™ ケーブル
・STAR™シリコンイヤーチップ【5サイズ】
・TRUE-FIT™フォームイヤーチップ【5サイズ】
・耐衝撃ペリカンケース
・クロスバッグ
・クリーニングツール
・ケーブルバンド
・Linum UltraBaX T2™ ケーブル
・STAR™シリコンイヤーチップ【5サイズ】
・TRUE-FIT™フォームイヤーチップ【5サイズ】
・耐衝撃ペリカンケース
・クロスバッグ
・クリーニングツール
・ケーブルバンド

Mach70/Mach80開封

Mach70も80もほぼ同じなので同時に紹介していこう.パッケージはほぼ同じ,同梱品もイヤホン本体以外は同じだ.

開封するとペリカンケースがお出迎えする.全ての同梱品はこのケースの中に収納されている.ペリカンケース自体は少し大きめなので気軽に持ち運べるという感じではない.

ペリカンケースの中はスタイロフォームで区分けされており,イヤホン本体やケーブルなどを収納できるようになっている.また,布製のイヤホンケースも付属するので普段の持ち運びにはこちらを利用する方が良いかもしれない.付属品はだいぶ豪華でペリカンケースやLinumのUltraBaXケーブルなど,単品で買うとそこそこ値段の張るものが多い.定価が高めに設定されているのはそういう背景もありそうだ.

これくらいスペースに余裕があるので,例えばイヤホンを2本持ち歩くくらいの収納スペースはあると思う.そういう点で使い道は多そうではある.

イヤホン本体はプラスチック製で高いビルドクオリティだ.覚えにくいが左に赤,右に青のプリントが入っている.イヤーチップはかなり長めに設計されていて,これによって遮音性を高める仕組みだと思う.

付属されているLinum UltraBaXケーブルはT2端子を採用している.後述するがよく利用されているMMCXとは雲泥の差で素晴らしい出来だ.端子部分は赤と黒に色付けされていて,赤が左,黒が右に対応する.ケーブル自体は非常に細くて取り回しもよく,イヤーループも付いているので耳にも自然にフィットする.このケーブルが付いてくるだけでもだいぶ価値がある.

感想

Mach70,Mach80ともに非常に音質はよく,優等生的なマルチBAイヤホンらしい音を鳴らしてくれる.Mach70とMach80の最大の違いはMach70は相当低音が強化されているという点だ.Mach80はフラットに鳴るのに対してMach70は低音が強くノリよく聴ける.これはどちらが良いとかではなく音源やジャンルに応じて使い分けるようなイメージだろう.

遮音性と装着感も文句なしの満点で,このイヤホンをつけていれば基本的に周りの音は聞こえなくなる.作業に集中したい時や,外で騒音を遮りたい時には最適だ.Machの特徴としてイヤーノズルが長めなので,イヤーピースでしっかり遮音できるかどうかが非常に大事である.少し合わないと思ったらいくつかのサイズを試してみるのが良いと思う.

付属されているLinum UltraBaXケーブルは非常に細くて取り回しが良く,イヤーループも成形されているので耳にも自然にフィットする.今まで購入してきたイヤホンの付属ケーブルの中でベストだ.T2端子は着脱が容易でかつガタつく感じもなくて好印象.mmcxがなんだったのかという快適さだ.唯一残念だったのは4.4mmバランスケーブルが存在しないことくらいだ.

まとめ

Westone Audioのコンシューマー向け新作,Machシリーズの最上位ライン,Mach70とMach80を購入した.音色の傾向は違いながらも,音質の良さや遮音性の高さ,UltraBaXケーブルの取り回しの良さ等高いパフォーマンスを誇るイヤホンで満足できると思う.おすすめだ.

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