今年最初の演奏会でピアノを弾いてきたので簡単に振り返り.
選曲
とにかく2025年は仕事周りが忙しく,全然練習に時間が取れない状況だった.8月後半に選曲を行い,9月頭から3ヶ月練習をするタイムスケジュールになった.今回全然練習時間が取れないことはわかっていたのでとにかく短くて簡単な曲を選ぼうということになり,前々からやりたいと思っていた以下の3曲を選んだ.
- Scriabin Etude Op. 2-1
- Scriabin Etude Op. 42-7
- Liszt Mephisto Waltz No. 4
長い曲をやるより短い曲を何曲か選んだ方が後からやっぱ時間が足りないから曲を減らそうという形で練習量の調整ができるので良い(笑. Scriabinの2曲のエチュードはどちらも2ページの作品であまり複雑さもないのでこういうタイミングに向いている.Op. 2-1は初期の作品でほぼChopinをやっているのと変わらない感覚.個人的にはあまり面白い曲とは思わないがなぜか人気がある.Op. 42-7は3:4クロスリズムの練習曲で,Scriabinのエチュードらしさ全開の佳曲だ.Op. 8-4(こっちは3:4, 3:5の練習曲)とどちらにするか迷ってまだ簡単そうなこっちにした.
最後の1曲はガラッと変えてLisztの最後のMephisto Waltzにした.この曲は6Pあるが繰り返しが多いのと後期Lisztらしい音数の少なさで,Mephisto Waltzの中でも難易度が格段に低い.それでいてカッコ良いアマチュアにとっては素晴らしい曲である.録音も少なくもっと知られても良いと思って取り上げることにした.

練習
Scriabin Etude Op. 2-1
この曲はテンポも遅くて技術的に難しいところは全くない.ポリフォニーをうまく処理できれば弾けはするという曲で,あとは(これは本当に難しいが)表現的にどう聴衆に聴かせるかという検討が必要だろう.そういう点ではポリフォニーへの入門としては非常に良い.ちなみにこの曲はScriabinの中でも人気の一曲で,Youtubeで探せば名人芸がたくさん聞けるので練習前に聞き込むことをお勧めしたい.

2pと短く,繰り返しもあるので暗譜までは割と一瞬で終わった.今回あまり表現面の研究をする時間がなかったので音は出るが若干中途半端な仕上がりになってしまった.
Scriabin Etude Op. 42-7
演奏時間1分の短いエチュードで,全篇が右3左4のクロスリズムに支配されている.曲の印象は中期Scriabinらしい浮遊感のある掴みどころのない曲調で,単一の曲としての聴きばえはしないが,ハマると癖になる.技術的にはクロスリズムもそうだが右手がかなり跳躍するのに指定速度がかなり早いのでこれを正確に処理できるかが一つポイントだ.

また,曲の途中に一部だけ3:5クロスリズムの部分もある.3:4よりも難しいので多少練習が必要だろう.

結局3ヶ月で最後まであまり速度が上がらず,若干中途半端に終わってしまった感があるのでどこかでちゃんとリベンジしたいところだ.今回の3曲の中で一番完成度が低かったと思う.
Liszt Mephisto Waltz No. 4
後期Lisztらしい音数の少なさのこの曲は譜読みの遅い私にとっては救世主で,ほぼ右手がオクターブ,左が同じ和音の連打で進んでいくのでとにかく構図がわかりやすい.最初の一週間で暗譜を済ませてから細部の練習に入った.技術的な難しさはオクターブのメロディを安定して聴かせることと,左手の跳躍の精度を上げるところかなと感じた.
オクターブの簡潔な前奏を経ての第一主題が顕著で,右手はオクターブでメロディを奏で,左手はバスのベースとそこに乗る和音連打による伴奏という構造だ.左手のバスは外すとしょっぱい感じになるのでこの音を外さないように丁寧に練習を重ねた.

この主題がちゃんとこなせれば後の部分も技術的にはほぼ同じことの繰り返しなので問題ないだろう.一つ練習中に気づいたのは,家で利用している電子ピアノ(KAWAIのNV10S)はトレモロがめちゃくちゃ弾きにくいということで,中間部に一箇所出てくるトレモロはスタジオにいった時に集中的に練習を重ねた.

3ヶ月の練習で全体的にあまり音を外さないところまで練習できたと思う.全編通して両手ともオクターブが多いので,意外と指の訓練になった側面もあったと感じていて,その意味でも多くの人にお勧めできる良曲だと思った.
まとめ
演奏会むけに短めの曲を3曲用意した.練習期間は3ヶ月あったものの全然時間を確保できずあまり練度が上がらなかったのは心残りだが,3曲とも弾いてみて非常に良い曲だと思ったのでそれでよしとしよう...


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