Nikonの第二世代の標準大三元,Nikkor Z 24-70mm F/2.8 S IIを購入したので紹介する.Nikonの標準ズームレンズとしては今までNikkor Z 24-120mm F/4 Sを発売以来愛用している.初代の大三元24-70mm F/2.8 Sは大きくて重たいレンズだったのであまり食指が伸びなかったのだが,2025年9月に大幅に軽量化された第二世代が発売され,これなら良いかと思ってついに購入した.
Nikkor Z 24-70mm F/2.8 S II 概要
初代の発売(2019年4月)から6年で発売された第二世代は,初代で色々言われていた不満点を大きく潰してきた.
- シルキースウィフトVCMを採用し,AF速度を約5倍向上
- 大幅な軽量化(805gから675gへ)
- インターナルズームの採用
- リングにクリック感を追加
とにかく初代はAF速度が遅めと言われていて,Nikonとしてはそこは絶対に潰したいポイントだったと思うが,加えて軽量化やインターナルズーム化など使い勝手を向上させてきたのは流石だった.代償としてだいぶ高価になってしまったが,ここ数年のインフレを考えればそれだけの価値のあるレンズだと言える.
代表的な仕様は以下の通り.比較のために初代の24-70mm F/2.8と私が愛用している24-120 F/4 Sも載せた.こうしてみると第二世代は初代からほぼ全ての項目が改善されていてすごい.
- 最大撮影倍率は0.22倍から0.32倍に
- 絞り羽根の枚数も9枚から11枚に
- 散々要望されていたコントロールリングへのクリック-デクリック切り替えの搭載
- 不要と言われていたディスプレイの廃止と代わりに追加のFnボタン追加
- 新しくフォーカスリミッター搭載
- フィルターサイズも82mmから77mmに一段小さくなる
サイズだけはインターナルズームになったことで長くなっているが,これは致し方ないところだろう.一方で重さは24-120mmにだいぶ近くなり,似た感覚で運用しやすくなっている.
| モデル名 | Nikkor Z 24-70mm F/2.8 S II | Nikkor Z 24-70mm F/2.8 S | Nikkor Z 24-120mm F/4 S |
|---|---|---|---|
| 焦点距離 | 24mm-70mm | 24mm-70mm | 24mm-120mm |
| F値 | 2.8-22 | 2.8-22 | 4-22 |
| レンズ構成 | 10 群14 枚(EDレンズ2 枚、非球面レンズ3 枚、メソアモルファスコートあり、アルネオコートあり 、最前面のレンズ面にフッ素コートあり) | 15群17枚(EDレンズ2 枚、非球面レンズ4 枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面および最後面のレンズ面にフッ素コートあり) | 13群16枚(EDレンズ3枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり) |
| 最短撮影距離 | 0.24m(焦点距離24mm)、0.24m(焦点距離28mm)、0.27m(焦点距離35mm)、0.3m(焦点距離50mm)、0.33m(焦点距離70mm) | 撮像面から0.38m(ズーム全域) | 撮像面から0.35m(ズーム全域) |
| 最大撮影倍率 | 0.32倍(焦点距離70mm) | 約 0.22倍(焦点距離70mm) | 0.39倍(焦点距離120mm) |
| 絞り羽根 | 11枚円形絞り | 9枚円形絞り | 9枚円形絞り |
| フォーカス制限切り換えスイッチ | FULL(∞~0.24m)とLIMIT(∞~0.33m) の2 段切り換え | なし | なし |
| フィルターサイズ | 77mm | 82mm | 77mm |
| 寸法 | 約84mm × 142mm | 約89mm × 126mm | 約84mm × 118mm |
| 質量 | 約675g | 約805g | 約630g |
| コントロール | 2つのFnボタン,AF-MF切り替え,フォーカスリミッター,コントロールリング,クリック-デクリック切り替え | Fnボタン,AF-MF切り替え,ディスプレイ,DISPボタン,コントロールリング | Fnボタン,AF-MF切り替え,コントロールリング |
ちなみに他のF値固定の標準ズームレンズとしては
- Nikkor Z 24-70 F/4 S(沈胴式で小型)
- Nikkor Z 28-75mm f/2.8(Tamron初代のOEM)
- Nikkor Z 28-135mm f/4 PZ
- Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 A063
あたりが候補になりうるが,描写面ではやはり今回の第二世代が一番優れているだろう(その分値段もぶっ飛んでいるが...)
開封
箱はNikonらしい黒と黄色を基調としたデザインだ.内容物は以下の通り.
- レンズ本体
- レンズキャップ77mm(LC-77B)
- 裏ぶた(LF-N1)
- レンズフード(HB-117)
- レンズケース(CL-C2)
Nikonのレンズケースはペラペラなのでこのクラスのレンズを持ち運ぶには少し神経に悪く,私は使わないことにしている.

レンズ本体はエンジニアリングプラスチック製で,Nikon Sラインらしい高いビルドクオリティだ.

今回のアップデートのハイライトの一つはインターナルズームを採用したことだ.つまり24mmから70mmまでレンズ全長が変化しない.広角と望遠の第三元は元々インターナルズームだったので,これで14mmから200mmまでをインターナルズームで通すことが可能になった.代償としてレンズ全長はそこそこ長いが,レンズの堅牢性という面ではこれ以上に安心できることはない.
初代からだいぶコントロール類も改善されている.新しくフォーカスリミッターが付いたことに加えて,個人的にすごく嬉しいのはコントロールリングにクリック感がついたことだ.絞りならばクリックごとに1/3段ずつ変化する(カメラのファームアップデートを忘れずに).今まではクリック感がなくて絞りを割り当てにくかったのだがだいぶ使いやすくなった.露出やハイレゾズームなど絞り以外の機能も割り当てられるようになったのでこれで純粋にSonyよりも機能面で上回ったと言えるだろう.一方でクリック感はだいぶ弱いので好みは分かれそうに思う.私はSonyやSigmaの割としっかりしたクリック感に慣れてしまったので少し物足りなく感じる.


レンズフードは花形バヨネットで,大きな特徴としてフィルター窓が配置されている.フィルター径は77mmで,これは24-120mm F/4や,70-200mm F/2.8と共用できるサイズなので非常にありがたい.またロックスイッチが配置されており,このスイッチを押さない限りフードがはずれないようになっている.

Z6iiiとの組み合わせで取り回しは良好だ.重心がカメラ側にあるのか,レンズが長いわりに全然重さを感じない.




私が愛用している24-120mm F/4 Sとの比較写真も載せる.レンズの長さこそ24-70mm F/2.8のほうが長いが,全体的にSラインらしいよく似た外観である.この2本なら焦点距離が欲しいか明るさが欲しいかで,撮影に応じて使い分けられるだろう.



Marumi マグネットスリム 保護フィルター
保護フィルターとして,SonyのSEL50F14GMでも紹介した,Marumiのマグネットスリムシリーズを採用した.これは保護フィルターにマグネットが内蔵されており,フィルターネジを使わずに上からPL/NDなどのフィルター類やレンズキャップを装着できる製品である.
77mm径はNikkor Z 24-120mm F/4 Sを購入したときに各種フィルターを揃えていたので,今回は保護フィルターとレンズキャップだけを追加で購入した.


今回のレンズはレンズフードが浅く,またフィルター窓もあるためこの手のフィルター類とは相性が良い.マグネットレンズキャップも,フィルター窓を開けておけば問題なく取り外しできてよかった.


試写



まとめ
Nikon 2本目の標準ズームレンズとして,Nikkor Z 24-70mm F/2.8 S IIを購入した.すでに24-120mm F/4を所持していたため2本目を購入するかはだいぶ迷ったのだが,店頭で実際に触ってみてインナーズームやクリック感のあるコントロールリングの使いやすさに惚れて購入した.最近発売された70-200mm F/2.8 S IIもだが,初代のレンズの不満点を着実に潰して使いやすくリニューアルしているNikonの姿勢には共感できる.
一方で,30-40万円するレンズが6年程度でリニューアルされる速度感には注意が必要だろう.昔はレンズは資産などと言っていたらしいが最早そんなことはなく,PCと同じくどんどん新しいものに更新していく時代になったのかもしれない.私も何十万円もするMacを文句を言いながらどんどん買い替えているが,ユーザーとしても本当に必要なレンズは何かをよく考えて賢く買い物する必要が出てきている.
レンズ自体は写りも良くて購入して良かったと思う.もちろん単焦点レンズのような抜群のキレがあるという感じではないのだが,Nikonレンズらしい抜けの良い雰囲気のある描写で逆光耐性も高く,登山や旅行で使いやすい.
24-120mm F/4とはサイズ感が近いため純粋に明るさが必要か,焦点距離が必要かを考えて撮影ごとに持ち出すようにしている.今の所の感覚としては,やっぱりF/2.8の明るさは暗いところで役立つ反面,120mmという焦点距離も捨てがたいなという感じだ.ここ数年24-120mmをずっと愛用していたからか,24-70mmを使うと「あれ,思ったより拡大できないな」と思うことが多い.この辺は慣れの問題だろう.6年後にまたリニューアルされても後悔しないくらい使い倒して行きたい.


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