Nikkor Z 24-120mm f/4 S インプレッション

ガジェット

Nikonの標準ズームレンズ Nikkor Z 24-120mm f/4を購入した.予約を入れたのが2月の中頃で,3月の中旬になってようやく手に入れることができた.人気すぎる...

Nikkor Z 24-120mm f/4 S 概要

わざわざNikonのZ6を購入したのはこのレンズが使ってみたかったからと言っても過言ではない.Nikonは一眼レフ時代にも24-120mm F/4という同じスペックのレンズを出しており,それをミラーレスでも再現した形になった.とはいえ画質面などで大幅な進化を遂げている.簡単にSonyのSEL24105Gや,他に同価格帯で購入候補になりそうな24-70mmF4と28-75mmF2.8と比較してみた.

諸元NIKKOR Z 24-120mm f/4 SNIKKOR Z 24-70mm f/4 SNIKKOR Z 28-75mm F/2.8 SSony 24-105mm F/4 G
焦点距離24-120mm24-70mm28-75mm24-105mm
F値4.04.02.84.0
サイズ84mm×118mm77.5mm× 88.5mm75mm×120.5mm83mm×113mm
重量630g500g565g663g
手ぶれ補正なしなしなしあり
フィルターサイズ77mm72mm67mm77mm
最短撮影距離0.35m(ズーム全域)0.3m(ズーム全域)0.19m(焦点距離28mm)、0.22m(焦点距離35mm)、0.3m(焦点距離50mm)、0.39m(焦点距離75mm)0.38m(ズーム全域)
最大撮影倍率0.39倍0.3倍0.34倍0.31倍
防塵防滴対応対応対応対応
絞り羽根9枚9枚
コントロールフォーカスリング
コントロールリング
Fnボタン
AF/MF切り替え
フォーカスリング
コントロールリング
AF/MF切り替え
フォーカスリング
コントロールリング
フォーカスリング
Fnボタン
AF/MF切り替え
OSSオンオフ

24-120mmは地味に120mm側で撮影倍率0.39倍まで寄れてハーフマクロ的な使い方ができる.先日まで使っていたマイクロフォーサーズのLeica dg 12-60mm f2.8-4もフルサイズ換算で0.6倍とかなり寄れたが,それに近い使い方ができる.

反面Sonyと違って手ブレ補正はついていない.同じく手ぶれ補正のないSigmaの105mmマクロの経験からいって,この焦点距離でのボディ内手ぶれ補正はあまり信用できない(もちろん自分の腕の問題だが...).逆にレンズに手ぶれ補正があるSEL24105Gはかなり遅いシャッタースピードでもブレないので,できれば手ぶれ補正はつけてほしかった.

開封

パッケージはNikkor Zらしい黒を基調とした高級感あるデザイン.

内容物は,レンズ本体(キャップ含む)に加えてレンズフードとレンズケースだ.ただレンズケースはかなりペラペラなので,あまり使う気にはならない.

  • レンズキャップ77mm LC-77B(スプリング式)
  • 裏ぶた LF-N1
  • バヨネットフード HB-102
  • レンズケース CL-C2

フードには細かい溝がたくさんついている.光の吸収などでご利益があるのかもしれない.

コントロールとしては,ズームリング,フォーカスリングに加えて,コントロールリング,Fnボタン,AF/MF切り替えボタンとかなり豊富に揃っている.他のSラインにあるようなディスプレイは搭載されていないが,正直あまり使えるとも思えないので無くても問題ない.コントロールリングはクリックがないのでスチルだと少し使いずらい.SonyやSigmaみたいにクリックとデクリックを切り替えられると良かった.その代わり絞り以外にも露出やISOのコントロールを割り当てることができる.自分は露出を割り当てて利用している.というのも,絞りと違って露出なら意図せず回しても気付きやすいからだ.コントロールリングの回転のトルクは結構重めなので,勝手に回って設定が変わることはあまりないと思う.

また,Fnに割り当てられる機能もそこまで多くないのが残念だ.

一方でAF/MFの切り替えスイッチは便利だ.24-70mmF4にはついていないので差別化できるポイントだろう.

非常にしっかりとした造りだ.

SEL24105Gと比較するとズームリングは少し硬め,一方フォーカスリングは程よい重さだと思う.ズームリングに関してはNikonは内筒が2段あるので仕方ないだろう.

各焦点距離での両者レンズの伸び具合を比較してみたが,両者とも70mm以降で急激に伸びる.

Z6とα7ivに装着した状態でも両者を比べてみたがよく似ている(笑 これくらいまでだったらバランスは良いが,存在感はあるサイズ感だ.どうしてもコンパクトに収めたい場合はやはり沈胴式の24-70mm F/4を選択するべきだろう.また,右手だけでホールドするのもちょっと無理があって,ちゃんと左手を添えてやる必要はある.

左がNikon,右がSony.両者24mmのとき.
左がNikon,右がSony.両者望遠端の120mmと105mmのとき.

両者の比較で良いなと思ったのはNikonは前玉が小さいことで,前玉が小さいと傷や汚れがつきにくそうなので扱いやすい.

左がSony,右がNikon.Nikonの方がだいぶ前玉が小さい.


感想

撮影倍率

焦点距離に関してはNikonは伝統的に120mmまである.105mmとの違いはそこまで感じないが,やはり24mm側からズームした時の拡大具合は非常に気持ち良い.

120mm側,最大撮影倍率0.39倍で撮影した写真はこのくらいまで大きく映る.素晴らしい寄れ具合でSEL24105Gの0.31倍の一歩先を行く.ただ最短撮影距離ではかなりピントがシビアになる印象だ.本当にマクロ撮影をしようと思ったらやはりちゃんとマクロレンズを買うべきだ.

画質

入手したのが昨日なのでまだ描写についてあれこれ言いにくいが何枚かテストで撮ってみた.感覚的にはSEL24105Gより大分画質が良いと思う.SEL24105Gは2017年発売のレンズなので当然といえば当然だが...全体的にカリッとした描写で,特にSEL24105Gは望遠側に行くとかなりソフトになるのだが,Nikonは望遠端でもかなりしっかり写っていて感心する.

ドイツラムの稚魚. 随分太っているような...
望遠端120mm.Z6の手ブレ補正もSonyより効いている気がする.

AFはSONYには劣るがSigma 105mmマクロよりは断然良好で,Z6でも魚も追える.使ってみて思ったが,120cmくらいまでの水槽なら,24-120mmの焦点距離があれば一通りなんでも撮れると思う.熱帯魚をニコンで撮ろうと思ったらまずはこのレンズがあれば問題ないだろう.

旅行・登山での使い勝手

このレンズは5倍のズームレンズなので,登山や旅行でも便利に使える.屋外で使う目的だと高倍率のレンズとしては24-200mmF4-6.3もあるのでどちらが良いか悩むところではあるが,私は明るさや画質,コントロールの豊富さを重視して24-120mm F/4を選択した.

表に概要の比較を表にまとめた.24-200mmの利点としては手ぶれ補正がついていることと,微妙に小さい&軽いことが挙げられる.

項目NIKKOR Z 24-120mm f/4 SNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3
焦点距離24-120mm24-200mm
F値4.04.0-6.3
サイズ84mm×118mm76.5mm×114mm
重量約630g約570g
手ぶれ補正なし5.0段
フィルターサイズ77mm67mm
最短撮影距離0.35m(ズーム全域)0.5m(焦点距離24mm)、0.54m(焦点距離35mm)、0.55m(焦点距離50mm)、0.58m(焦点距離70mm)、0.65m(焦点距離105mm)、0.68m(焦点距離135mm)、0.7m(焦点距離200mm)
最大撮影倍率0.39倍0.28倍
防塵防滴対応配慮した設計

ちなみに私の経験上,旅行で記録目的だと120mmで足りないことはほぼないんじゃないかと思う.昔高倍率コンデジであちこち海外へ遊びに行ってた頃の写真を見返しても換算120mm以上を使った写真はほぼない.一方で登山だと200mmあれば嬉しい場面は結構あると思う.ちょっと遠くの山を大きくうつしたいとなると200mm程度必要なイメージがある.そういうわけでどちらかというと登山の方が24-200mmの使い所がある気がする.

両者値段もそんなに変わらないので,迷ったら店頭に行って納得いくまで触ってみるのが良いと思う.

Z6との組み合わせで上から.めちゃくちゃかっこいい...

実際登山や旅行に行って何枚か写真をとってきたので載せておこう.非常に爽やかな写りで登山写真や旅行写真に向いてそうだ.サイズや重さも特に気になることはなかった.

AFもかなり早い

Sony SEL24105G,Sigma 105mm DGDN Art との簡単な比較

特に望遠側の画質について,SonyのSEL24105GとSigmaの105mmマクロレンズと簡単に比較してみた.もちろんカメラボディが異なるのであくまで参考レベルだが,意外と明確に違いがでて面白かったので紹介する.

ターゲットにしたのは月で,そもそも100mmで月を撮るとこれくらいの大きさにしか写らない..めちゃくちゃ小さい...

これを100%まで拡大して,横幅800ptで画像をのせるとこのくらいの大きさになる.オリジナルの画像は横6000-7000ptあって,それを横800までトリミングしているので,7-9倍くらいの拡大だ.それでようやくこの大きさになる.もちろん画質は良くはないのだが,ブログ用ならこれくらいでもいいか,という気がする.

ブログ用途ならこれくらいのトリミングをしても十分なので,作品作りでもなければあまり望遠レンズは必要なさそう...

同じことを3本のレンズでやって比較した.まずこれはNikonの望遠端120mmがこちら.画角的にSonyの2本の105mmより大きく写るのだが,Nikon Z6はSony α7ivより画素数が少ないために見た目の差はほとんどない.

Z6+Nikkor Z 24-120mm F/4@120mm

次がSonyのSEL24105Gの105mm側だ.このレンズは使ってていつも思うがどうも望遠側は描写が良くない.Nikonとの差は一目瞭然で全体的にボヤッとしている.ちなみにNikonと同じ曇天のホワイトバランスを利用しているのだが微妙に色が違うのが面白い.

α7iv+SEL24120F4G@105mm

最後がSigma 105mm DGDN Macroだ.これだけは単焦点のマクロレンズなので流石に画質がよく,他の2本のズームレンズよりも良い写りをしているのがわかりやすい.等倍で載せてもカリッとしている.

α7iv+Sigma 105mm DGDN Macro Art

ということで,単純な比較だが画質面は明確にSigma 105mm > Nikon 24-120mm > Sony 24-105mmで間違いなさそうだ.

保護フィルター:Marumi マグネットスリム

保護フィルターはMarumiのマグネットスリムシリーズを購入した.これは保護フィルターにマグネットが仕込まれていて,上からNDやPLフィルター,レンズキャップをマグネットで取り付けられる製品で,従来製品のようにねじ込まなくて良いので非常に便利だ.

まとめ

待望のNikkor Z 24-120mm F/4 Sを購入したのでファーストインプレッションとして紹介した.24-120mmの5倍ズームをF4通しで使えるスペックの良さに加えて豊富なコントロールで使い勝手も良い.何より驚いたのがその画質の良さで,Sonyの24-105mmに比べて大分カリッとした描写だ.この性能でこの価格なのが驚きなくらいなので,Nikonユーザーなら絶対に買ったほうが良い一本だろう.

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